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フランス名をいただきました

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以前のブログにてもご報告させていただいた通り昨年フランス国籍を取得したが、フランスでは社会に溶け込みやすいようにFrancisationというシステムがある。つまりオリジナルの氏名を「おフランス風」に変えることができる。なんと苗字と名前を両方、あるいは片方だけ変えるか、はたまたオリジナル名に新しい名前を追加することもできる。

これは義務ではないがたった一度の人生!自分で自分の名前に変化をつけるのも面白そうだと思ったので少し変えることに。

私の場合、オリジナルの日本名は残したかったのでフランス的なものを元のファーストネームに加えることにした。つまり人生初のセカンドネーム。その名はすばり、、、、「マティルド」だ。うふふ。

それを選んだ理由は後述するが、ま〜セカンドネームと言っても普段はほぼ使われない。これから会うフランス人には「マティルドって呼んでね〜」と言うつもりだが。今まで本名はフランス語的に言うと正しく発音されることが少なかったのでこれからそういう違和感は避けられるかと。強いて言えば自分自身がマティルドと呼ばれる違和感ぐらいなものか。。(え?)

ただフランス側に移した出生証明書には正式にこのマティルドが追加されるので身分証明書、パスポート、銀行口座など全ての公的書類の氏名は変更しなければならない。

セカンドネームをもらう流れ

名前変更の手続きはいたってシンプル。「名前変更申請書」に自分で選んだ新しい名前を記載して関係窓口に送付するだけ。一応とんでもない名前でないかどうかの審査を受け結果が知らされる。

申請後3、4ヶ月でEメールにて国籍課事務所へ出頭命令の連絡が来た。

「えー?またセレモニーでもあるの???」
「今度こそ国歌を歌っちゃう?」

前回と違い既に国籍取得の関門は超えているので緊張はなかったが久々にウキウキ気分で面会に。

国籍課事務所はノートルダム大聖堂の裏にある。パリ市民を震撼させたあの大火災からもうすぐ4年が経つ。当初、来年のパリ・オリンピックまでに修復工事を終了させる、とマクロン大統領はイキっていたようだが難しそうだ。。。

大聖堂から5分ほどでフランス国旗が眩しい国籍課の事務所に到着。入口の警備員のお兄さん達と冗談を交わしながら(フランスではこういう方達といかに仲良くするかがポイント)スムーズに入館。

アポの時間通りに名前が呼ばれ、面会は2分で終了!「セカンドネームが正式に認められた件」「今後の事務手続き」の書類を渡されただけだった。

なぜマティルドに?

自分で自分の新しい名前をつけるなんてすごい体験だ。インスタやFACEBOOK上のペンネームを考えるのとではワケが違う。(ちなみにこのブログ名は「チェチリア」だ。ややこしくてすみません!)

名前を考えるのに当たってはまず両親がつけてくれたファーストネームの音に近いものがいいな、と思った。犬ではないが(!)やはり小さい頃から呼ばれてきたその音に反応しやすいから。

実際、新しい名前をマティルドにするかどうか考えながら街を歩いている時に背後から自分の娘を呼んでいるあるお母さんの声が耳に響いた。

「マティルド!こちらへ来なさい!」

え?あまりの偶然に驚いた。すかさずその娘さんのお顔をチェック。とても可愛かった。
「よし、マティルドいただきます」と。

もう1点大事なポイントがある。それは私の小学・中学・高校までの母校の創設者がメール・マティルドというフランス人のシスターというご縁だ。

1872年初の来日修道女として日本に渡ったマティルドは孤児の救済や女子教育にその生涯を捧げ、97歳、横浜でお亡くなりになった。

そんな素晴らしい方のお名前をいただいてしまうなんてかなり図々しいとは思うのだが少しでもそのお志に近づけたらと思う次第。

フランス人になろうが、名前が変わろうが私は私。根っこは何も変わらない。

国籍や名前を変えてみて改めて思う。やはり人間、どこで生きるかというよりどう生きるかだ。



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