最近お気に入りのルーヴル美術館のガイドツアー。
今回は「フランス17・18世紀の美術工芸品コース」(1時間30分)に参加してみた。
ルーヴルにはルイ王家時代の家具やタピスリー、食器などのコーナーがある。ポンパドール夫人やマリー・アントワネット王妃の時代の小花モチーフが大好きな私は自分でもこのコーナーにはフラフラ散歩に行くのだが、いつも同じものしか目に入らないので視点を変えるためにもガイドの方の説明を聞くことにした。
美術館の説明書きにはないエピソードや最近コレクションに加わったオブジェの紹介もあったり初心者からルーヴルマニアまで楽しめるような内容であった。
ルイ14世のおみ足にうっとり〜
まずはお馴染みルイ14世様の肖像画。彼が60歳を過ぎてからの肖像画だが、なんとすらっとした美しいおみ足。。。
どうやら足の部分のモデルは本人ではなく若いダンサーであったとか。ギョー!
確かにルイ14世自身もかなり高レベルなダンサーだったのでそのおみ足も鍛えられて引き締まったものだっただろう。でもこれはいかにも美しすぎる・・・?

肖像画の前にひかれているカーペットはテュイルリー宮殿内の彼の寝室にあったもの。宮殿がなくなってからはどこかに保存されていたらしくそのおかげで色が鮮やかなままだ。
椅子もルイ14世時代のもの。ご存知の通り家具にも各時代の様式がある。下記はコンフェッショナルと呼ばれるスタイル。地味だが重厚感がある。

時は流れてルイ15世の時代へ。優雅な4脚の椅子が迎えてくれる。王妃様式と呼ばれるもの。前代のものよりクッションがあり座り心地も良さそうだ。

そして同時代の時計が2点。美し過ぎて逆に時を忘れそう。。

ガイドツアーはルイ14世から16世時代の工芸品紹介が時代の流れとともに進んでいく。ここのところ多くの観光客が押し寄せるルーヴル美術館であるが好きな世界にどっぷり溶け込めるのでもはやその雑踏も気にならない。
さて重厚なバロック時代から軽やかなロココ時代に突入。最も「おフランス」チックな空間だ。
今回私が小躍りしてしまったのはこの壁に描かれた絵画デコレーション「アラベスク」。
動物や狩の絵でも有名なジャン・バティスト・ウードリーの作品。
優雅な田園で楽しむ人々の姿がなんとも愛らしい。薄いピンクの縁取りに癒される。



かと思えばブルーのお部屋も。アクセントの効いたモチーフのカーテンとのアンサンブルが絶妙。

お姫様の日常を垣間見る
さて栄華を極めた18世紀。蝶よ花よのお姫様の日常がわかるオブジェたちをご紹介。
まずはポンパドール夫人の金ピカコーヒーポット。どんなコーヒーのお味なのかと。

そしてこちらはマリー・レクザンスカ王妃(ルイ15世妃)のココアポット。

最後にマリー・アントワネットにもご登場いただこう。反射してしまっているが奥のフライパンのようなものは彼女のベッドを暖かくさせる湯たんぽの様なもの。なんと彼女のイニシャルMA入りだ。

話題の煙草入れ
今回ブログタイトルにもさせていただいた煙草入れのお話し。
ガイドツアーは一辺倒な内容だけではなく最新のニュースも盛り込んでくれるので嬉しい。
現在ルーヴルでは18世紀の煙草入れをコレクションに加えるために約1億7千万円の寄付を一般から募っている。
価値的には5億5千万円!!(どういう基準で決まるのか全くわからない。。。)
それがルイ15世統治下で筆頭大臣を務めたショワズール公爵の煙草入れだ。縦6cm x 横8cm 、6面体のクリスタル上に彼の暮らしや社交ぶりがわかるシーンなどが描かれている。


1770年に製作された後、彼の失脚で市場に出回り、19世紀以降はロスチャイルド家が持っていたそうな。つまり一般公開は今回は初めてだ。
なぜルーヴルがこれを手に入れたいのか。
この繊細なミニチュアの世界に中にぎっしりと70枚ほどの絵画作品が描かれておりそれらは彼のコレクションで実在していたものなのでその内容を紐解くだけでも美術史界にとって大きな意味がある。レンブラントやグルーズなどそうそうたる作品群だ。中にはルーヴルに入っている作品もある。
まだまだ全て解明されていないのでこれからまたどんな発見があるのか見守りたいと思う。
ちなみに寄付は2月28日まで50EURからこちらで受付中。。。
現在のところ4509名が参加、あと1000万円必要らしい。寄付金額により年間無料券やプライベートパーティーご招待などのメリットが。