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寒空のブロカント

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2021年新年早々、自宅近所でブロカントが開かれていたので散歩がてら行ってきた。パリでは夏休み時期を除き年がら年中どこかしらで仮設のブロカント・骨董市を見つけることが出来る。

ここ数年来の友人、生粋のパリジェンヌであるブリジットがブロカント通なため一時期毎週のように彼女に同行していたらいつの間にか私もはまってしまったというわけだ。

店頭には何世紀もの前の家具、食器から数年前のレコード、書籍やアクセサリーなど所謂「何でも」ある。「何でも」という割には開催時期や場所によりコレクションも様々で、その雑然とした中から目的もなくただただ発掘するという作業が妙に楽しい。

大抵手ごろなお皿や花瓶などをゲットする。好みはマリーアントワネットが愛したような小花のモチーフの陶器や20世紀初頭のアクセサリーなど。1998年渡仏当初、ルーヴル美術史学校で聴講生として西洋美術史をかじったが、特に軽やかな色合いと洗練されたデザインの18世紀フランスの王朝家具に魅せられた。いつかそんなスタイルの椅子を手に入れたい。

フランスは去年の10月末から2回目のconfinement(外出制限)に入り、日中の外出は許されるものの美術館は相変わらず閉鎖中。文化に触れられる場所がない今のパリはまるで砂漠だ。しかしブロカントのような歴史、美に触れられる機会が近所にあるのはありがたい。テレワークで人との会話がめっきり減った今日この頃、冗談好きな店主や他のお客さんたちとの何気ない会話にも癒される。

路面に並ぶ曇ったグラスや使い古されたフォークやスプーンを見る度に、「どんな家族が使っていたのか」「食事しながらどんな会話をしていていたんだろう」などと想いを巡らせるだけで寒空の下でもあっという間に時は過ぎていく。

前述の友人ブリジットは御年80歳。常に美容院で髪をセットし、自宅でもハイヒール、爪には深紅のマニキュア。ZARAからエルメスまで着こなす素敵なマダムだ。ブロカントでは昔の香水ヴェポライザーを探し求めている彼女だがたまにフランス人形を見つけては「これは本物の髪の毛だわ、いいわね。うふふ」とつぶやきながら買い上げている。

彼女はブロカントで何か想いを馳せることがあるのかな。今度聞いてみよう。

6 Comments

  • 増田美保

    うわあ、一日中ぶらぶらできそう!
    お店のもの全てに物語が詰まっているんだろうね。
    今度戦利品もみせてね。

  • Yoko

    素敵なブログですね!お洒落で粋パリライフを楽しんでいらっしゃるのがかっこいいです!ブロカント、たくさんはありませんがフランスで時々見て歩きます。いかにもアンティークなものから、えっというものまでコミュニケーションを楽しみながらがフランス語が出来ないので残念ですが、すごくみなさん売買以上くらい大切にされているのが伝わります。また行きたいです。これからもブログ拝見させていただきます!

    • PARISBELLE

      どうもありがとうございます!ブロカントはいく度にいろんな出会いがあるのでやめられません。。。
      幸いロックダウンにはなっておりませんのでこの2月もどこかのブロカントに行ければと思っております!

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