先日のギマール建築探訪に続き、今回はその後編と思ったのだが気分を変え
彼と同時代の他のアールヌーヴォー建築家シリーズ(16区編)*といこう。
*アールヌーヴォー建築以外のものも含まれます。
明日から5月だというのにパリはまだコート、マフラーが必要なくらい肌寒い。
午前中3時間ほど歩き倒したが、最後の方は足元の石畳から跳ね反ってくる冷たさと
固さで膝ががくがくになってしまった。。。
さて、スタート地点は凱旋門近くのKléber 通り6番地。
Georges Chedanne の作品。クーポール(丸天井)で有名なデパート、ギャラリー・ラファイエットも彼の作品らしい。


そのKléber通りを少し南下すると出ました!Hector Guimard デザインのメトロ入り口。
今日はGuimardさんはご遠慮いただこうと思っていたがやはり避けては通れない存在感。

そのまま進み、60番地にはCharles Letrosneによる館がある。

次に北西へ少し戻る。
おしゃれなブティックが立ち並ぶVictor Hugo 通りに出る。
ブティックはロックダウン中なので当然ながら全店閉まっている。良かった。え?
そうでなければ建築探訪どころか、ウィンドウショッピングDAYと化してしまう可能性大だからである。
ちなみに現在のところ、ブティック系は5月19日に営業再開と言われている。
さてアールヌーヴォー建築はというと同じVictor Hugo通りの39番地にCharles Plumetの作品がある。
遠くからでもその素晴らしさがわかる。上部にはパラスホテルのような重厚なバルコニーが
ドーンとある。このようなアパルトマンはパリと言えどもそうはない。


そのまま南下し50番地に同氏が手掛けたアパルトマンを発見。
扉のしずくのようなモチーフが美しい。

Victor Hugo通りからRaymond Poincaré 通りに曲がると59番地に
先ほど登場したCharles Letrosneによる館が見えてくる。
正面に施された木々のモチーフが美しいこと!


これだけ歩くと普段ならカフェ休憩が入るのだがご存知の通り閉まっているので
ぐっと我慢し探訪を続ける。
南下していくとScheffer通りの奥の方に何やら目立つ建物が!
Ernest Herscherによる作品だ。

写真からもわかるが雲がかげってきて寒くなってきた。
お腹も空いてきたのであと2件で今日はやめておこう。
さて、エッフェル塔が見えるPASSY界隈まで下りてくるとBenjamin Franklin通りに
Auguste Perretの作品が登場する。
彼はベルギー人で「コンクリートの父」と言われた。
シャンゼリゼ劇場も手掛けたとか。どおりでなんとなく四角い感じが似ている。

さて探訪の最後を締めくくるのはClaude Chahu通りに位置する、
Charles Kleinの作品。窓を囲むセラミックが素晴らしい。圧巻の一言。

一遍に見終えて思うのは、一つ一つ見るとこれだけ特徴の大きなデザインなのに
全体的に街に溶け込み一つも浮いた存在にならないという事実だ。
個性の強いフランス人が連帯を重んばかる特性があるのと似ている気がする。