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ルーヴル美術館は夜がいい!

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ここのところパリは日中でも4、5度ぐらいまでしか温度が上がらず、空も曇天のグレー色。どうしても家に閉じこもりがちだがこういう時こそ美術館巡りが良い〜、というお話。

私の勤める会社は週2回までテレワークが許される。誰との会話もないテレワークで煮詰まった夜は気分転換のために美術館に繰り出したりする。パリの美術館は週に1度「ノクチューン(Nocturne 仏語:夜の、夜間営業という意味)」と言って21時頃まで開館している日がある。シーンと静まり返った夜のしじまに絵画や彫刻たちと会話することで普段使っていない脳(ほぼ全ての脳?)を刺激するのだ。

ルーヴル美術館のガイドツアー

今日ご紹介するのは「夜のルーヴル美術館」。
年間パスを持っているので普段は観光客が少ない週末の朝一にサクッと行くのだが、一人で行くと観るのが好きなものばかりに偏るので、たまには美術専門のガイドさんが説明してくれる見学コースに参加するのも良いかも知れない。

というわけで今回参加したのは「フランス彫刻散歩」。20時〜21時30分までというコース。
通常ルーヴルは休館の火曜日以外は9時から18時までの営業だが毎週金曜日は21時45分までやっている。

ガイドツアーはルーヴルの代表的な作品を見学するものの他に特別展や「知られざるルーヴル」編などがある。また大人、家族向けにテーマが別れていたり、数は限られるが英語でのガイドツアーもある。

参加型の「アトリエ」と呼ばれるコースはいつも人気ですぐに満席になるようだが、デッサンや金継ぎの教室までありなかなか楽しめそうな企画が多い。

まずは美しい夜のクール・カレ

夜のルーヴルを楽しみたいならまずはここクール・カレ Cour carrée と呼ばれる美術館東側の中庭のライトアップをお見逃しなく!

日中は地味な雰囲気のところだが夜になると一段とその建築のモチーフの美しさが際立つ空間だ。私はいつもここで小躍りしながら歌ってしまう(そう、人は誰もが人生の主人公〜♪)。

セーヌ川を挟んだ向いにはバロック建築を代表するフランス学士院が見える。

柵越しのガラスのピラミッドもなかなかオツだ。

いよいよ見学ツアーが始まる!

さて中庭で一人舞台を終えた私は本日のメインイベント「フランス彫刻散歩」に参加のため入館。

集合は館内のグループ見学受付コーナー。人員の関係だろうか、受付スタッフが誰もいなかったので掲示に従い奥の階段を登って仏式1階まで上がる。

1階に上がるとグループ見学の集合場所がある。
だ〜れもおらず一抹の不安を覚えたが一人、二人とお嬢さんたちが集まり始めた。
きっと同じコースに参加する方たちだろう。

開始時間20時になると一人のおじさんがスタスタ我々に近づいてきた。胸にバッジをしているので今夜のガイドさんだろう。

彼は言った。「フランス彫刻散歩に参加される方たちですか?」
我々「はい。」
彼「このコースを実施できる最低人数は5名からなんですが今のところ皆さん3名だけなので実施できるかわからないですね。。。」

え〜!!!何それ?
夜わざわざここまで来てるのに現地でキャンセルなんてあるのかと。
そうか、、、こういうコースはギリギリまで申し込みを受け付けているから仕方ないのか。。。

我々が残念そうな顔をしたからかおじさんが言った。「5名未満でも実施できるかどうか確認してきます」
2分ぐらいしておじさんが女性と一緒に戻ってきた。どうやらギリギリにやってきた同コースの参加者らしい。

「全部で4名になったので実施します!」
お〜、やるではないか。さっきの問答は何だったのだろう?ま、いいか。無事に見学コース成立だ。

途中で更に参加者2名が加わり正式に6名となった。良かったね、おじさん。

皆さん20代ぐらいの女性たちだった。私が平均年齢をグッとあげることになっているのに間違いない。うひひ。
きっと参加する人たちは少々オタッキーな男性が多いんだろうと勝手に想像していたが蓋を開けたらみんな綺麗なお嬢さんたちばかり。
金曜夜に1時間30分かけてフランス彫刻について勉強する人たちってどんなマニアなのか?

彫刻たちに新たな息吹が!

フランス彫刻は7世紀から19世紀までのものがリシュリュー翼のガラス天井に覆われた中庭をめぐって年代順に並べられている。
今日はロマネスク時代から18世紀の作品の説明があった。

固有名詞や独特な美術用語がたまに聞き取れないがおじさんの説明はとても丁寧でわかりやすい。20年前にルーヴル美術史学校の聴講生をやっていた時このような館内見学をほぼ毎日していた。フランス語が聞き取れず泣きながら?帰宅し、毎晩日本語の美術書と照らし合わせて勉強したもんだ。色々もがいた時期だったがそういう苦労の時代があったからこそ今があるのかな〜とつくづく思う。
(今も大してわかっていないが時代時代の様式の違いは感覚でわかってきた気がする)

それでは館内の様子をお裾分け。

「ライオンの穴の中のダニエル」6世紀 ロマネスク時代の教会の柱頭
「キリスト降架」12世紀末 ロマネスク美術。珍しい多色多彩の木彫
「幼な子の泉」ジャン・グジョン 16世紀 知的な線に惹かれる。
「狩をするディアンヌ」16世紀。アンリ2世の愛妾ディアンヌ・ド・ポワチエがモチーフ。

ここからはガラス天井の中庭(室内)の様子。空間といい光といい昔からお気に入りの場所だ。

非常に有意義な1時間30分であった。昼間よりも落ち着いた夜という特別な時間帯という環境もかなり大きい。素晴らしいコンサートを聴いた後のように清々しい気分だ。

ガイドさんの生の説明が加わるだけで今まであまり目に入ってこなかった彫刻たちが新しい命を吹き込まれて動き出す、、、そして私に語りかけてくる。

美術品は決して過去のものではない。見る側の人の気持ちによっていつでも、いつまでも生きている。

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