お散歩日和が続いている。以前からやってみたかったパリ16区のアールヌーヴォー建築探訪をしてみた。
自宅から徒歩で30分ぐらいの圏内なのでロックダウン中でも気兼ねなく行ける。
アールヌーヴォーと言えばパリ・メトロの出入口のデザインでも有名なエクトール・ギマール。
まずは彼の代表作であるアパルトマンLe Castel Béranger。
当時はそんなに高くない家賃で借りれたそうだ。建築が完成する前に全36室中の25室の借り手が決まっていたという人気ぶり。新印象派画家のポール・シニャックも入居していた。

本ブログのアイキャッチ画像にも選んだ独特な入り口の扉のデザインは通りすがりのパリジャンでさえ
2度見するほど目立って美しい。異なる素材がうまく融合し、構図も左右均衡ではないが決して不調和な感じがしない。
ふと見上げるとあちらこちらに不思議な生き物たちが張り付いている。
マスクをかぶった風刺画のような顔のモチーフやタツノオトシゴ、ところどころに猫や鳥もいたりする。


工業化が進み、創造性が欠如していた19世紀後半、芸術家たちは自然の洗練されたフォルムへと回帰していった。
重厚で直線的な古典主義的建築に慣れていた保守派のパリ市民たちはギマールのあまりに斬新なデザインに度肝を抜かれたに違いない。当初、彼は「攻撃的な建築家」「拷問的な作品」などと酷評されていたがそれもある意味納得がいく。
さてギマールが手掛けた他のアパルトマンも順繰り訪ねてみよう!






どれも流れるような曲線が美しい。
と、今回はこんなところだが、パリ16区にはギマール建築が全部で20件ほど現存しているらしい。
またいつか訪ねてみようと思う。本当は中側も見れたら最高なのだが普通に暮らしている方がいるので
ピンポーン♪、、とするわけにもいかない。。(Hôtel Mezzaraは事前予約で見学できるらしいが要確認だ)
ギマール建築に注目しだすと他の建築との違いも見えてきて楽しい。
今まで随分とあまりに何気なく通り過ぎてきてしまったもんだ。。。
これからは年代別に建築の特徴を調べていこうかな。
美術館が開いていなくてもこの街には勉強できることが山ほどある。
パリ自体が美術館なのだ。
ネットを見ていたらLE CERCLE GUIMARD(ギマール・サークル)というのを発見した。
どうやらガイド付きの探訪コースを企画しているらしい。2時間程でパリのギマール建築を地区ごとに訪ねたり、
1900年の建築コースもある。なかなかマニアックで面白そうだ。
文化活動が解禁になったらぜひ参加してみよう!
「やりたいことリスト」に今日もまた新たな項目が加わった。