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パリ散歩 歴史・音楽など話題満載のマレ地区

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今回はセーヌ川右岸のパリ3区、4区に広がるマレ地区を歩いてみた。
マレ地区といえばモード、グルメ、LGBTカルチャーなど話題が絶えない界隈であるが
中世からの建築物も多く残っており歩いているだけで十分に楽しいところだ。

スタート地点はメトロ1番線Hôtel de Ville (市庁舎)駅。
地上に出るとパリ市庁舎前の広場に出る。

来週5月19日からいよいよ商店、カフェテラスが再開されるがその前ということもあり
ご覧のように人通りはまばらだ。

パリ市庁舎前広場
パリ市庁舎

雲が立ち込めて少々暗い印象だが、建物の石の色にあっててある意味パリらしい趣だ。
夜の照明もとても美しいのだが今年の夏は少しでも楽しめるだろうか。

その市庁舎の向かいには創業1856年、デパートBHVがある。
私が渡仏した20数年前はインテリア商品、日曜大工道具などが中心だったが
ギャラリー・ラファイエット・グループになってからファッションも充実するようになった。

デパートBHV

こうしてみるとデパートとは言え正面のドームなど美しい建築だ。
いかにも!といった商売的な看板も一切ない。
現在は閉店中ということもあるが普段も広告はそんなにうるさくない。
これぞパリの美学。

さて、BHV横のタンプル通り(Rue de Temple)を北上する。
ブティックの春めいた服のディスプレイが気になる~。

その先のランビュトー通り(Rue Rambuteau)につきあたる角を右に進み、
フラン・ブルジョワ通り(Rue des Francs-Bourgeois)につながるその角にフランス国立公文書館博物館
Le musée des Archives nationales
がある。
   

フランス国立公文書館博物館
フランス国立公文書館博物館

建築されたのはなんと1371年。個人の館であった。その後数々の貴族の手に渡り、1927年に今の公文書館となった。
「ルイ14世の遺言書、ルイ16世の日誌、マリー・アントワネットの当時の様子が書かれた記事」など
フランスのお宝がごっそりある。

それだけでも鳥肌ものなのに、建築の壁のプレートチェックをしていたら
フランス・バロック作曲家のシャルパンティエ(Marc-Antoine Charpentier)が
1670年~1688年までここで暮らしていたことがわかった。
どうやらここに住んでいたGuise家の援助を受けていたらしい。

そう言えば最近バロック音楽を聴いていなかったのでCharpentierを聴いたくなった。
たまたま見つけた彼の宗教曲は以下の通り。宜しかったらどうぞ!

暖かな一筋の光が差し込んでくるようだ。美しい。

Charpentierがここに住んでいたのを記すプレート
公文書館が貴族の邸宅だったことを感じさせる建築の一部

小さな癒しの空間

パリの友人にいいことを教わった。
この館の正面右奥にとても素敵なお庭があるのである。


深い緑の折り重なりがその長い歴史を感じさせる。
小さい空間だがとても静かでくつろげる。

音楽家Charpentierもここで午後のひと時を過ごしていたのだろうか。





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