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パリ郊外散歩① サン・ジェルマン・アン・レイ

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もうすぐ3月。春が待ち遠しい、そんな週末は気軽に行けるパリ郊外を訪ねてみよう!

記念すべき第一回目はパリから西に電車で25分ほどのサン・ジェルマン・アン・レイ Saint-Germain-en-Layeへ。

現在では国立考古学博物館になっているお城と画家モーリス・ドニ美術館へ行った。

優美な外観サン・ジェルマン・アン・レイ城

RER A線のCharles de Gaulle–Étoile駅から9駅目終点Saint -Germain -en-Laye駅下車。駅から地上に上がるとすっきり晴れ渡った青空に映える美しいサン・ジェルマン・アン・レイ城が我々を迎えてくれる。

12世紀初頭、ルイ6世により建立。1682年、ルイ14世がヴェルサイユへ居を移すまでフランスの王たちの重要な住処であったがナポレオン三世のときに国立考古学博物館として生まれ変わった。原始時代から中世期までの発掘物などが展示されているが、
現在は館内が工事中で4分の1しか見学ができない。よって見学した当日は入場料は無料だった。日時の予約だけしていったのだが特に確認されなかった。

ヤジリや骸骨展示などを軽くスルーし(!)、中庭に入ると正面とは全く違う色合い。ルネッサンス様式の赤れんがだ。きっと夏季にはここでコンサートが実施されるのだろう。魅力ある空間にしばしうっとり。。。

ちょっとした館内の階段にも趣がある。

ロワール川沿いのお城たちと異なり当時の部屋などを見学することはできないが、圧巻なのは13世紀に建てられたという隣接のサント・シャペル。柔らかな神々しい光が中に立ち込め天にも昇る心地だ。

お城を出てすぐ横に広大な公園がある。ルイ14世のお気に入りだった庭師ルノートルさんによるものらしいが今は割と殺風景。。

しかし奥まで歩いて行くと眼下にセーヌ川、パリの街が一望できる。土地の高低差を利用したサプライズ好きだったルノートルさんのどや顔が想像できる(!)

国立考古学博物館 
Musée d'Archéologie nationale

住所 :Château - Place Charles de Gaulle  78105 Saint-Germain-en-Laye cedex
アクセス :RER A線終点Saint-Germain-en-Laye)駅下車

さて、街中でランチしましょう!

サン・ジェルマン・アン・レイの中心街は城下町とあってインテリアやセレクトショップや歩く人たちの雰囲気もエレガントだ。

事前に調べて良さそうだったレストランla cantine de Mariusが3月1日から再オープンとのことだったので(残念!)、同行した友人とぶらぶら街中を散策しながら行き着いた広場のカフェでランチ。

知らないカフェなどではほぼ失敗がない、という理由から注文したのはバーガー&ポテトフライ。もちろん軽めの赤ワインと一緒に!美味しかった〜。

午後はモーリス・ドニ美術館へ

お腹も心も満たされた午後は中心から徒歩10分ほどの住宅街に位置するモーリス・ドニ美術館へ。
坂を下っていくとのぼりがはためいているのですぐわかる。

何だか小旅行に来たみたいでワクワクする!

門をくぐると奥に館の入り口がある。ここは元々ルイ14世の寵姫モンテスパン公爵夫人が建てた、貧しい人や老いた人々を受け入れる施療院だったらしい。確かに外観は少々病院のような地味な感じ。

中に入るとその地味さも一転。色鮮やかなドニの世界だ。彼が手掛けた壁の装飾や絵画作品を観ることができる。

ナビ派を代表する画家モーリス・ドニ(1870〜1943)はここに1914年から終生居を構えた。内装デザインを担当したのがパリ・シャンゼリゼ劇場を手掛けた建築家オーギュスト・ペレ。

ルイ14世、モンテスパン、シャンゼリゼ劇場、、、と私の大好きなツボばかりが集まったこの館。外から見ると非常に堅実な、ややもすれば寂しげな雰囲気の館なのだが、その中にはセーヌ川のように静かに流れ続けるフランスの歴史、人々の歴史が詰まっている。

必見なのは「ル・プリウレ」(「小さな修道院」という意味)という礼拝堂だ。壁に描かれた人たちはドニの顔馴染みの人物らしい。最初の妻マルタがイエスの啓示を受けるシーンを描いたステンドグラスもある。

↑ふと見上げると先日投稿したブログ「パリのパワースポット?!」にてご紹介した聖ヴィンセンシオ・ア・パウロのお姿を発見!そう言えば、この礼拝堂の色合い自体も「奇跡のメダイ教会」の淡いブルー系に近い。更に親しみを感じた。

館の周りにはドニが愛したお庭が広がっている。この日はまだ寒かったが強い陽の光のおかげでベンチに座って寛ぐことができた。

家族、友人への愛、深い信仰心、、、、パリの美術館だけでは想像だにできなかったドニの人柄が少しわかったような気がした。

モーリス・ドニ美術館 MUSÉE DÉPARTEMENTAL MAURICE DENIS

住所 :2 bis, rue Maurice Denis - BP 5251 78175 - SAINT-GERMAIN-EN-LAYE Cedex
アクセス :RER A線終点Saint-Germain-en-Laye)駅下車

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